外国人が日本に入国、在留するための「ビザ取得」「在留期間更新」「在留資格変更」「永住申請」及び日本国籍取得ための「帰化申請」等を行うに当たって、行政書士に依頼する利点(メリット)を概説致します。

1. 入管の行政処分(審査・結果)について

日本の出入国在留管理局(入管)における各種の行政処分は、いわゆる「裁量処分」と称されるもので、仮に申請に必要とされている全ての書類を整備し、提出したとしても、必ず許可されるというものではありません。その根本的な理由は、「出入国管理及び難民認定法(以下、「入管法」という。)の各条項の規定ぶりです。すなわち、各種の申請は法務大臣が有する広範な裁量権によって処分されることになっております。加えて、外国人及びその関係者にとっては、各条項に関連して発出された法務省令・同告示の解釈が難解であることも難題です。例えば、新規入国者の入国を認めるか否かを規定した「出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の基準を定める省令」には、在留資格毎の基準が規定されていますところ、此処に記載された条件を満たせば必ず許可になるかと言えば、そうとは限りません。申請を受理した入管当局は、これらの基準に加えてこれまでにおける多くの行政先例及び判例を同基準に追加して各案件の許否判定を行います。したがって、申請案件の中には必要な基準を満たしているにも関わらず、不幸にして疎明資料を提出し損なったことにより同基準を満たしていないとされたり、申請内容の信憑性に疑義があるとして不許可とされる事案も決して珍しくはありません。中には複数回に渡って申請を行っても、説明不十分や不許可理由が払拭出来ていないとして、不許可とされている事案もあります。

2. 行政書士による申請取次制度の制定

右の次第から、法令等に通暁していない外国人やその関係者にとっては、入管の各種手続は極めて難解なことであるということになります。このような経緯もあって、入管当局は、平成元年(1989年)6月、入管当局と申請人との「仲立ち」的な役割を果たす法律職(行政書士・弁護士のみで他の国家資格を有する者は除外されている)をして入管法令に定める各申請手続を代行させる制度(「申請取次制度」)を法令で制定しました。以来、一定の研修を受け、入管当局から承認された法律職は、申請人を代行して各申請手続きを行うことが可能となりました。以後、専ら、行政書士がその役割を担っており、申請書を含めた各書類の作成を初め、申請人に代わって同書類を入管当局に提出すること及び処分結果の受領に至るまでの全てを代行します。これより、ご自身で申請することに不安を覚えておられる方や多忙のために出頭することが困難な方などは、円滑・適正に処理する上から入管法及び関連の省令・告示に通暁した法律職に依頼する方法が得策と言えます。
なお、外国人が日本国籍の取得を希望する際の帰化申請においては、所管窓口は入管ではなく、外国人の住居地を管轄する法務局となり、国籍取得については国籍法の理解だけでなく、外国人の在留の基礎的根拠となる入管法の理解が不可欠なのです。

同制度は、入管当局にとっては、事務処理の迅速、適正化を促進することが出来るばかりでなく、申請人である外国人自身や関係者の方々にとっては心強く、大きな支えとなっております。ぜひ、この利点を活用して下さい。
「入管専門行政書士の選び方,7つ要点」も是非、ご参考ください。