現在、日本では多くの行政書士が「Immigration Lawyer」として名乗り、その業務を行っておりますが、欧米諸国等における「Immigration Lawyer」は、日本と異なり、日本のように細かく様々な士業(専門職)に分類されておりません。したがって、外国人にとっては、司法書士、行政書士、社会保険労務士、公認会計士、税理士、土地家屋調査士、不動産鑑定士等々に分かれていることが不明であり、またそれぞれの業務が如何なるものであるかを説明されてもピンと来ないという訳です。
すなわち、日本と欧米諸国とでは法体系が全く異なる訳ですから、理解の仕様がないというものです。インターネット上で「Immigration Lawyer」を検索しますと、実に多くの「行政書士」が、我こそは「Immigration Lawyer」なりと喧伝されておりますところ、果たしてこのうち何人の方がこうした法体系・欧米諸国における「Immigration Lawyer」との異同をご存知であるかについては甚だ疑問です。

 欧米諸国等における「Lawyer」のうち、「Immigration」業務を専門としておられる方、即ち「Immigration Lawyer」は、代理権は勿論のこと、法廷(裁判所)への提訴権、原告代理人としての訴訟執行権をも有しておられます。日本の行政書士は法令上において、未だ代理権どころか、こうした諸種の権利を一切付与されていないと知れば、外国人は驚かれるのではないでしょうか。正に、「代書屋」時代そのものの名残が今もなお続いていることに愕然とします。

 翻って、日本における外国人の入国者数・在留外国人数を概観しますと、コロナウイルス禍ではあっても、2020年の外国人入国者数は「4,307,257人」、2021年6月末現在における在留外国人数は「2,823,565人」を数えており、何処からどう見ても国際化の波は着実に日本に訪れております。加えて、今後、在留資格「介護」や「特定技能1号」に該当する者が陸続と入国、滞在するようになれば、現行法のように、行政書士・弁護士のみが入管業務を担う(代行する)という法制度(システム)では到底間に合わなくなること必定でしょう。 
そうした国際化が進展する中で、政府が法制度を改定することもなく、また「弁護士」諸兄が頑なに弁護士法第72条に固執している限り、日本の外国人政策は早晩デッドロックに乗り上げるものと思われます。